元・ベンチプレス世界記録保持者・クレイグ・トカレスキーのトレーニング
1992年に4度目のベンチプレス世界記録を樹立したクレイグ・トカレスキー。
彼の当時の体重は124kg、そしてベンチプレスの記録は319kg。
1995年発行の雑誌の中で、当時世界記録を保持していたトカレスキーは、自らのトレーニングと方針について語っています。以下の文章は、その主な骨子です。質問形式の記事となっています。
ベンチプレスは一日に何セット行えばよいのか?
私(トカレスキー)の場合、5レップ(回)を4セットというのを基準にしている。5回という回数がパワーアップの源であるような気がする。
高重量のトレーニングを特に行っていない時期には年間を通じて5レップ×4セットを基準にするとよい。 4セット以上行うと身体に負荷がかかり過ぎて、回復が間に合わなくなる。
毎回MAXに挑戦、あるいはヘビーウエイトでベンチプレスを行うべきか?
そのようなことは断じてない。毎回全力を出し切ってトレーニングしていたら筋力アップなどは望めない。心も身体も十分に回復させなければならないからだ。
基本的にはベンチプレスは週2回(重量日と軽量日)で行っていくとよい。 (トカレスキー自身は週3回を基準にしている。)
胸の補助種目として、他に何を行っているのか?
私(トカレスキー)自身は、フラットベンチでのダンベルフライとインクライン・バーベルプレスを好んで行っている。また、リバースグリップのベンチプレスも補助種目として効果があるように思われる。
実際のベンチプレスの普段の練習方法は?
具体的な方法としては、まず高重量の日には、ウォーミングアップが済んだらベンチに向かい、 軽めのウエイトで2~3セット行った後、高重量で5レップを4セット行う。
この際に注意すべきことは、高重量でベンチを行う時にはセット間の休息を十分にとるということだ。時間の目安としては3分から5分。私自身、高重量(600ポンド = 272Kg)を使用する時には5分か、それ以上の休憩を取るようにしている。
ベンチプレスの後には、インクライン・ベンチプレスを5レップで4セット行う。そしてこの種目も終わったら、次はフラットベンチでのダンベルプレスを同じく4セット行う。レップ数は16回から21回をキープし、休憩時間も短くする。
これで胸への刺激は合計12セットとなり、胸のトレーニングとしては十分な量になる。
そして軽重量で行う日には(その日のトレーニングは肩と脚が中心の日ではあるが)、ベンチプレスは軽めに行う。だいたい高重量の日よりも50から100ポンド(22.7kgから45.4kg)くらいダウンさせた重量で行う。
回数は同じく5レップで4セットを目安とする。この日に重い重量でやってしまうと、次の高重量の日に回復が間に合わなくなってしまうので、あくまでも軽い重量にとどめるべきである。