土蜘蛛 ページ1/6

バックグラウンド:

 土蜘蛛に襲われた村の地下には、はるか昔、人間によって放逐された土蜘蛛たちの巨大地下集落があった。
 人間に追われ、逃げ延びた土蜘蛛たちは、他の場所に定住し、昔の集落のあった場所は忘れ去られ、言い伝えの中に残るのみとなっていった。
 しかし、そんな土蜘蛛の集団の中に、人間に奪われた土地を奪還しようと立ちあがった一団があった。
 その一団は、言い伝えの中のわずかな手がかりをたどって、艱難辛苦の上、ようやく地下集落の場所を突き止めた。
 だが土蜘蛛たちが見つけた地下集落の上には、土蜘蛛のことなどすっかり忘れ去っている人間たちが村を造って暮らしていた。
 土蜘蛛たちは、一族をこの地に呼び戻すために、地上の人間たちを一掃しようと動き始めた。

DM注意事項:

 このシナリオで現れる土蜘蛛は、地下集落の奪還に燃えており、士気は10に上がっている。

 PCが煙を使って土蜘蛛をあぶりだすなどしても、地下深いため、空気の対流や酸素の問題があってうまくいかない。

 またPCが地上に戻った場合、PCの侵入が土蜘蛛に知られていると、夜中に土蜘蛛の襲撃を可能性がある。
 ただし土蜘蛛の数が5人以下になっている場合は、土蜘蛛はそこを放棄して逃げ出す。

 村人の死体を地上に持ちかえらない限り、1日に4体、破壊された死人返りが元に戻る。
 もし土蜘蛛の数が減っているなら、囚われている村人を殺して、死人返りにすることもある。

 PCが来てから1週間経つと、土蜘蛛は一族へ吉報をもたらすために、死人返りを残していなくなる。
 当然、村人を助ける事もできなくなる。

* * *

 ターン・アンデッドについてルールブックでは明記されていないが、狭い場所でターン・アンデッドをかけた場合、すぐ近くに逃げ道があればそこから逃走するが、そうでない時は、逃げる場所を求めて走りまわり、攻撃する意志がなくてもPCと衝突するなどしてダメージを与える事がある。
 そしてそれでも逃げ道が見つからないと、アンデッドはクレリックからなるべく遠い場所に行って動きを止め、クレリックがいなくなるまでその状態が続く。
 低級なアンデッドに精神はないが、この状態は「コーズ・フィアー」などの恐慌状態に似ている。

導入:

 導入は、口入屋で依頼を受けるか、旅の途中でパーティが立ち寄った村に、まったく人がいないのを不審に思って、村を調べるうちに血の跡の続いた穴を発見する――などが考えられる。

 口入屋で依頼を受ける場合、町から2、3日離れた佐伯(さえき)村の村長の息子からの依頼となる。
 村長の息子からの手紙によると、
 1週間ほど前に、村長が原因不明の熱病に倒れ、その日を境に、次々と村人が同じ症状に苦しみ始めた。
 薬を飲んでも、まったく効き目がなく、ついには畑の作物まで枯れ始める始末。
 陰陽師を呼んで原因を調べてもらうと、村の地下から染み出している毒気であることがわかった。
 陰陽師の言葉にしたがって、熱病に倒れた村人の家の床下を見てみると、人が1人通りぬけられるほどの穴が各家に見つかった。
 陰陽師によると、その穴は土蜘蛛によるものの仕業で、その土蜘蛛を退治しなければ、村人たちはよくならないということらしい――
 ということで、口入屋へ土蜘蛛を退治してくれる人間を派遣してもらうよう頼んだのだという。

 報酬は、1人につき前金で100両、土蜘蛛を退治してもらえれば、さらに200両を払うという。

 町で得られる情報

土蜘蛛というのは、蜘蛛ではなく、地下に暮らす人間の形をした妖怪の事らしい。
●佐伯村までは、安全な道を通って行ける。
●佐伯村のあったところは、その昔、帝の侍たちによって、その地に巣食っていた妖怪が追い払われたという言い伝えが残っている。

 これらの情報の他に、

●土蜘蛛と言うのは、大蜘蛛の妖怪らしい。
●佐伯村の裏山には、猿の化け物が出るらしい。
●山賊が佐伯村を狙っているという噂を聞いた事がある。

 などといった、誤った情報や関係ない情報を与えてもよい。

佐伯村:

 佐伯村は山間の盆地にあり、田畑の広がる中に、20件ほどの家が点在している。
 特にマップは用意していないが、ここでの調査もシナリオに組みこむなら、各自で製作する事。

 パーティーが村に到着した時には、すでに1人の村人も見当たらない。
 家畜は、ほとんどが残っているようだが、いなくなっている家もある。
 家を調べると、食べ物などが荒らされた跡はあるが、争った跡はほとんどいように見える。
 床下を調べれば、ほとんどの家に、人が1人這って通れるほどの穴が空いているのが見つかる。
 一番大きな村長のものらしき家では、何かを引きずった血の跡が、床板をはずした下の地面の穴に続いている。
 これらの床下に空いた穴は、どれを通っても最後にひとつにつながって、ダンジョンマップの1.の場所にたどりつく。

 村の真中には、土蜘蛛の霊を鎮めるために人間が作った地蔵と石の祠があるが、今は土蜘蛛によって壊されている。

ダンジョンマップ:

 ⇒土蜘蛛ダンジョンマップ(38.0KB)
 ヘッダー、フッターをなくして、余白を最小(0mm)に設定すれば、ブラウザからそのままB5用紙に印刷できます。

ダンジョンの説明:

 このダンジョンの多くの部分は落盤によって埋まっている。
 昔の完全な形は、八角形の計画的に整備された通路を持つ大地下集落であった。
 中心は土蜘蛛たちの特別な儀式や集会がおこなわれるホール
 その1つ外側は、倉庫や井戸などの共同の施設
 その外側は土蜘蛛の戦士などの力のある者の大き目の部屋
 その外側は一般の土蜘蛛の住居群
 一番外側は、茸の栽培を行う大きな空洞になっていた。
 また中央から南側には、祭祀場とシャーマン、ウォーカン、族長の部屋があり、その外側には、シャーマンの家系の者たちが住んでいた部屋があった。

 一般の土蜘蛛の部屋は、10尺ほどの円形の部屋で、入り口は3尺ほど。
 現在は埋まっているものがほとんどで、埋まっていないものでも、時々土蜘蛛の骨らしきものがあるだけで、めぼしいものは残っていない。

 大き目の部屋は、10×20尺ほどの大きさで、ここにもめぼしいものは残っていない。

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